「既卒の新卒扱い」で何が変わるか

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既卒の新卒扱い、大手で広がる=トヨタ、武田など来春採用から―主流は「3年以内」

 大学の既卒者(大学院修了含む)を新卒扱いで採用する動きが広がっている。トヨタ自動車や武田薬品工業など多くの大手企業が2012年春入社の採用活動で、募集対象を同年春の卒業見込み者だけでなく、卒業後3年以内の人にまで拡大する。既卒者にもっと門戸を開くよう求める政府の要請に応えるとともに、これにより「多様かつ優秀な人材を確保する」(高島屋)のが狙いだ。
 今春卒業予定の大学生の就職内定率は過去最悪となる見通し。こうした状況を踏まえ、政府は昨年、新卒者雇用に関する緊急対策を決定。雇用対策法に基づく「青少年雇用機会確保指針」を改正し、大学などを卒業後少なくとも3年間は新卒として採用に応募できるよう企業側に求めた。

学生の就職内定率が低下し、将来を不安に感じる学生や既卒になってしまい苦悩する人は、一種の安堵を得たかもしれない。

しかし、それは思い違いである。このように大手が「既卒を新卒扱い」で受け入れることが、学生に複数回のチャンスをもたらすわけではない。では、何が変わるのか。

以前(今もそうなのか?)、ソニーが履歴書に学歴を記入させず、採用過程において一切学歴を聞かないということを表明した。その結果、何が起こったか。「さぞ、幅広い学歴を持った人が採用されたに違いない」と考えるかもしれないが、決してそのようなことは起こらなかった。

学歴不問で採用活動を行ったとしても、実際に採用された人を見ると高学歴な人が多かった。ごく稀に二流といわれる大学出身の人がいたが、三流といわれる大学出身の人は決していなかった。「やはり、学歴は陰で調査されていたのか」と疑う声もあったが事実は違う。純粋に選考過程で優秀だと思う人を採用するとそうなるのだ。

学歴不問によって救われたのは、何らかの理由により潜在的能力があるにもかかわらず、高学歴と言われる大学に行かなかったor外的要因で行けなかった人が、若干名がチャンスを得たにすぎなかったのである。

 

これは、今回の「既卒の新卒扱い」でも同じことが言えるのだ。在学中に就活をし、失敗した人にもう一度チャンスが生まれるわけではない。企業にとっても、多様な人材の確保というのは、例えば、以下のような人たちを想定しているのだろう。

  • 大学時代は学業やサークル活動に専念、卒1で就活して、1年遅れで就職。
  • 卒業して、ワーホリで1年海外へ、帰国して就活して、2年遅れで就職。
  • 大学4年からダブルスクールで資格目指すも、卒2で断念、就活して、3年遅れで就職。

 

結局、就活のチャンスは1回にすぎない。

自分の多様性をどのように磨き、自分がどのようなキャリアを進むか、よく吟味し、自己分析ができた人にとって、有用な仕組みになるだろう。

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