公認会計士試験の合格基準

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2007年と2008年の公認会計士試験は極端に易化したといわれます。本当にそうなのでしょうか?

実際、この年代のいわゆるゆとり試験合格者には、知識量が極めて乏しい人がいます。しかし、試験の内容が易化したというのは正確ではありません。

実務経験者が言う実務に勝る知識はないということを検証するため、ひとまず合格させて実務につかせてみる試みが行われたといえます。これにより、従来であれば、もう一年勉強して実力を付けて再度チャレンジしていたところ、合格してしまいました。

下表を見れば明らかなように、ボーダーラインが著しく引き下げられたというの正確です。

短答式

合格基準:総点数の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする。

年度 受験者数 合格者数 合格基準 過年度 累積通過数 通過率
2004 16,310 3,237 3,237 19.8%
2005 15,322 3,510 (58%) 3,510 22.9%
2006 16,210 5,031 69% 5,031 31.0%
2007 14,608 2,709 65% 3,532 6,241 42.7%
2008 16,217 3,515 65% 3,418 6,933 42.8%
2009 17,371 2,289 70% 2,956 5,245 30.2%
(2010-Ⅰ) 17,583 1,576 71%
(2010-Ⅱ) 17,660 820 71%
2010 22,579 2,396 2,481 4,877 21.6%

※2004年、2005年は旧2次試験 、合格基準は「総得点に対する割合」

 

論文式(旧2次試験合格者の経過措置除く)

合格基準:52%の得点比率を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする。

年度 受験者数 合格者数 合格基準 合格率
2004 3,237 1,378 42.6%
2005 3,510 1,308 (58.0%) 37.3%
2006 5,132 1,372 52.0% 26.7%
2007 6,320 2,695 51.0% 42.6%
2008 7,034 3,024 51.0% 43.0%
2009 5,361 1,916 52.0% 35.7%
2010 5,011 1,923 52.0% 38.4%

※2004年、2005年は旧2次試験で、合格基準は「総得点に対する割合」

 

しかし、当該試験ボーダースレスレで合格した者は、従来の会計士像によれば持っているだろうレベルを維持できずに、内外から批判を受ける結果となりました。そのため、財務会計士という中間資格を設けてそこにプールすることで、公認会計士をプロフェッショナルとしてより高度なものとして確立しようとしています。

旧試験の頃も、2次をボーダースレスレで合格した人は、3次で苦労してきたといいます。ゆとり試験世代といわれる2007年と2008年の合格者も上位層は高い知識力を有していることでしょう。つまり、修了考査によって、もう一度ふるいにかけ、実力を試させることが必要です。修了考査の合格率は下がってしかるべきといえます。

この過程の中で、知識偏重であった過去の試験制度と、実務先行でプロフェッショナルとなる試験制度を十分に実証比較し、今後の財務会計士と公認会計士の試験制度をよりよいものとしていっていただきたい。

 

(参考)論文式(旧2次試験合格者の経過措置)

年度 受験者数 合格者数 合格基準 合格率
2006 4,485 1,736 52.0% 38.7%
2007 2,706 1,346 51.0% 49.7%
2008 1,429 601 51.0% 42.1%
2009 812 313 52.0% 38.5%
2010 501 118 52.0% 23.6%

 

コメント(2)

あなたは今の会計士試験合格者を見下し自分と一緒にしてほしくないと言いたいのですか?

neoさんコメントありがとうございます。
私の本旨が伝わっていないように思います。なぜ、上記コメントのように思われたのでしょうか?

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