税理士法改正に関する意見(案):日税連

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税理士法については平成13年に改正され、財務省はその見直しの必要性の検討は5年ごとに実施することとしており、次回は平成23 年度となっている。(規制にかかわる法律ごとに設定する見直し年度等一覧(平成20年3月):財務省

そのスケジュールに合わせ、日税連では、税理士法改正に関するプロジェクトチームを設置し、「タタキ台」を公表、意見募集し、平成22年5月31日に「意見(案)」としてまとめられた。

ただし、意見募集に対して3,251件もの意見が寄せられたとしていながらも、各論点で大半が賛成意見であったと述べるだけで、反対意見については誰がどういう観点で述べたのかが記載されていない。このような偏った見解である点を踏まえて、日税連の意見(案)による【改正の方向性】は以下の通りである。

税理士の使命は、税理士法第1条において、「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と規定されており、税理士は、我が国の唯一の税務に関する専門家として位置付けられている。

【改正の方向性】

1.税理士の業務に関する規定
(1)電子申告等の送信業務
・ 電子申告等の電磁的記録の送信業務も、法第2条第1項に掲げる「税理士業務」のうち「税務代理」に含める。
(2)補助税理士制度のあり方
・ 他の税理士等の補助者として従事しながらも、一方で、「開業税理士」として他人の求めに応じて自己の税理士の業務も行うことができるようにする。
・ 現行の「補助税理士」の呼称を「所属税理士」に変更する。
(3)法第30 条の税務代理権限証書の提出を前提とした書面添付制度・意見聴取制度
・ 法第33 条の2第1項の書面添付制度について、第30 条の税務代理権限証書の提出を前提条件としたうえで、その効果として、税務調査の通知を納税者ではなく税理士に対してすることとする。
・ 書面添付制度の実効性を担保するため、第35 条第4項を削除するとともに、税務調査の法的性質について、税務官公署職員の質問検査権との関係を明確化するものとする。
(4)報酬のある公職に就いた場合の税理士業務の停止規定の見直し
・ 税理士が報酬のある公職に就いた場合でも、税理士業務の停止をしないこととする。
・ 税理士業務の停止をする場合は、その公職に兼業禁止規定がある場合のみとする。
・ 法第24 条(登録拒否事由)、第51 条第2項(通知弁護士の適用除外)との整理を行う。

2.税理士の資格取得に関する規定
(1)税理士の資格
・ 税理士となる資格を有する者は、税理士試験に合格した者を原則とする。
・ 弁護士・公認会計士(以下「隣接職種」という。)に対しては、能力担保措置として、弁護士は会計学に属する科目に、公認会計士は税法に属する科目に合格することを原則とする。
(2)実務修習制度の創設
・ 実務修習制度を創設する。
(3)受験資格要件の廃止
・ 受験資格は削除する。このことにより、受験生の大幅な増加が予想されるので、
その対応策については検討する必要がある。
(4)試験科目の整理
・ 税理士試験制度は、その位置付けを申告納税制度との関連を明確にして、その対象試験科目を見直し、実質的な資質向上を目指すこととすべきである。

3.税理士の信頼性の確保に関する規定
(1)研修受講の義務化
・ 研修の受講を原則として義務化する。
(2)税務支援のうち税務援助への従事義務
・ 税務援助への従事を原則として義務化する。
(3)税理士証票の更新義務
・ 証票の更新制度を創設する。
・ 更新要件は、研修の受講、税務援助への従事、会費の完納等とする。
(4)税理士職業賠償責任保険への加入義務
・ 日本税理士会連合会の税理士職業賠償責任保険への加入義務化規定を創設する。

4.その他の規定
(1)財務大臣の総会決議取消権の廃止
・ 財務大臣の税理士会及び日本税理士会連合会の総会決議取消権は廃止する。
(2)通知弁護士等の公示等
・ 通知弁護士等の公示制度と日本税理士会連合会への通知制度を創設する。
(Source:「税理士法改正に関する意見(案)」(平成22年5月31日):日税連会員限定)

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