財務会計士には税理士資格は付与されない

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「税理士法改正に関する意見(案)」(平成22年5月31日) (日本税理士会連合会の会員限定)

当意見(案)では、「弁護士・公認会計士(以下「隣接職種」という。)に対しては、能力担保措置として、弁護士は会計学に属する科目に、公認会計士は税法に属する科目に合格することを則とする。」ことが提案されている。

そうした中で、日本税理士会連合会副会長の宮口氏が、「公認会計士制度に関する懇談会」に参加している。本人も述べているように、当初は反対意見を言う代表であるかと思われたが、参加者のそれぞれの問題意識は共有され、一定の方向性に終息した。

公認会計士が今後も税理士の無条件登録自体が認めれるかは省壁の問題もあるが、少なくとも、現状の税理士の無条件登録は、財務会計士ではなく、監査証明業務を担う公認会計士に与えられることには共通の認識が持たれたようである。

それは、同懇談会での宮口氏の発言を繋げるだけでも、容易に想像がつく。

第1回

○宮口委員 宮口でございます。ありがとうございます。

今、皆さん方の意見を拝聴しておりまして、私、税理士会から参っておりますので、反対意見を言う代表として来ているのかなという感覚でおりましたが、まさに同感の議論がされているということを、非常にありがたく存じております。

15年の改正のときにも参加させて頂きましたが、経済界への進出、また社会人の受験等々、その裏にあったのは、今、問題になっています規制改革会議の話かなというふうに思っています。規制改革は善だということで、我々も公認会計士さんと同じ試験にしろというふうなことが、先日発表された資料でも、まだ言い続けられている。同じ試験といいますか、共通項を持っていけということでありますが、むしろ、税理士という職業は、公認会計士の先生方とは違う税務の専門家としての立場を持っているということで、それなりのプロフェッションを果たしていくんだという責任感を持って仕事をしているつもりですが、公認会計士の先生方は既に八田先生がおっしゃったように監査と会計の専門家だということであります。

そのような人たちが、もう既に話題に出ましたが、18歳の合格者でそれでできていくんだろうかというふうなことは非常に問題だろうというふうに思っております。公認会計士の資格を有する者または公認会計士になられた方は、税理士法の規定により税理士の資格を取得できるということになっております。このごろ受験校で受験生の間、あるいは会計専門職大学院の生徒さんの間で言われていますのが、公認会計士で仕事がなかったとしても税理士になれるよというふうな、いかにも隘路としての税理士業務、税理士のあり方ということが指摘されておるわけであります。15年の改正のときにも一緒にご議論に金融庁の先生方と参加させて頂いたわけですが、そのときは、むしろ高い会計人ができてくるだろうと、そのような方であれば租税法も全うして頂ければ、税理士業界としてもこれを歓迎しますよというふうな意図ででき上がった法律改正が、とてもじゃないが違うほうへ行っちゃったなというのが、非常に感じるところであります。税理士会のほうでも実は4,000人、3,000人という公認会計士試験の合格者の数がそのまま我が方へ流れてきていると、資格だけで流れてくるんじゃないかという意図が、危機感を非常に会員が持って、しかもその方々は仕事ができないというふうな、先ほどからお話が出てきております共通項がございます。

ぜひ、新しい試験制度等を目指されるのであれば、税理士業務との関連もぜひお考えの中に入れて頂いて、ご議論願えればありがたいというふうに思います。

以上です。


第3回

○宮口委員 ありがとうございます。宮口でございます。

先ほど八田先生がお話しになられましたように、公認会計士試験の意味はどこにあるんだということを改めて考えてみましたら、一番初めの論文試験で学問的知識を問うんだと。だから非常に若い人の合格者が多いんだというふうに,我々税理士会のほうでは認識をしております。その後、実務アセットを取得するために実務補習をされて、その実務補習で考査を受けられて、公認会計士の資格を有する者、いわゆる公認会計士試験合格者のその上の段階ですが、そういう方を税理士会としてはお迎えして税理士としての独占業務をやって頂いてもいいんじゃないかということで、公認会計士の方を税理士資格でお迎えしているというのが現状だろうと思います。したがって、もし今おっしゃるような学問的知識を持った肩書きで何らかのインセンティブを付与するんだということは、もしそのような議論が進むのであれば、税理士の公認会計士さんを受け入れる条件も当然変わってくるだろうというふうに考えております。

したがいまして、実務補習の修了考査が7割程度であるということも当然であると思いますし、また、公認会計士試験が、もともと15年の改正、あのときに目指されました試験の合格者を多くして質を上げるんだということの矛盾を正すことに対してどのようにやっていくべきだということをご議論頂くほうが適当かなというふうに思います。すなわち、税理士のほうは、公認会計士の先生方を我が業界に入ってくるなということではありません。ただ、そのように入ってきて頂く公認会計士の先生方というのは、実務にもたけて、しかも学問的知識を持っておられるんだという大前提を持っておるということをつけ加えさせて頂きたいと思います。ありがとうございます。

第5回

○宮口委員 ありがとうございます。税理士会から参っております宮口でございます。先ほどの論点にも関係してくるかと思うのですが、公認会計士のドイツの人数、その一方税理士という資格がドイツにはありますので、それに絡んでいるのかなというふうな気もいたしますので、そちらも合わせてご報告賜ればありがたいなというふうに思った次第です。

また、二段階式、一段階目と二段階目ということですが、二段階目にCPAとして認めていこうということのお考えはわかるわけですが、一段階目としたときに例えば我々の税理士試験の場合でしたら、科目制度の合格制度をとっております。会計への資格者が必要であれば簿記、財務諸表の合格者あるいは日商さんの一級の検定試験の合格者、そういう人となぜ区分していかなければいけないのかというのが私は理解できませんので、その辺の説明を頂ければありがたいと思います。

第6回

○宮口委員 先ほどの経済界の議論、それから公認会計士協会の議論、両方お聞きしておりまして、金融庁がやられる資格制度、今回の目的が、前にもお聞きしたような気がするんですが、適正な監査を向上させる、監査を世界から認められる公認会計士としてどうするかということがもともとではなかったのかというふうに思います。それからしましたときに、途中で資格を与えるとかいうものの議論が成り立つのかなと。公認会計士協会がおっしゃいましたような、監査実務を踏まえていない公認会計士というのは、公認会計士ではないのではないかというご提案に賛成するものであります。

また、資格付与ということがいろいろなご意見として出てまいりましたが、資格付与のニュアンスがかなり違ったと思います。准会計士の資格を与える、あるいは公認会計士の資格を与えるというのも、できるだけ前の段階で与えるというご意見、それから、最終的に監査の実務経験が終わった段階でテストして与えるということのご意見は、かなりの差違が期間的にあるんだろうと思います。念のために公認会計士というのが、私は税理士会から参っておりますが、公認会計士の資格を有する者を含めまして税理士資格を付与するということになっておりますから、それからしましたら、今日の言葉で出ました准会計士等の方が公認会計士になられるという考え方には、全く組み入れることはできないと個人的には思っておりますので、申し上げておきたいと思います。

どうぞよろしく。ありがとうございました。

第7回

○宮口委員 税理士会の宮口でございます。いつも大変お世話になっております。ありがとうございます。

今、田村政務官からご説明のありました部分について、若干質問をさせて頂きたいと思います。

公認会計士のあるべき姿、監査法人のあるべき姿を議論していくべきだというところで、監査法人のあるべき姿、アカウンティングファームになっていくんだということで、そのとき、日本の監査法人は業務に制約があるためというふうなご発言がございました。十分な実務経験を持たない優秀な人材が必ずしも育ちにくい環境だというのは、どのような前提の話かはよくわかりませんが、3ページ目、これに付随しておりました表を拝見すればVS税理士とかいうふうなところが出てまいりまして、税理士業界、また一番最後のところで、将来的な制度改革として、税理士制度も含めた抜本的見直しを視野に入れていくべきだというご発言がありました。

実は、公認会計士の先生方と税理士の業務範囲というのは当然変わっておりまして、従来の分けていた監査と税務というところはだめだということをおっしゃっているのかよくわからないので、そこのところはどういうふうなお考えでこういうペーパーが出ているのかということ。むしろ、環境の変化はよく理解できるわけですが、公認会計士になられる方、なった方はもちろん監査の専門家として監査業務をやっていかれるんですから、現在の税理士法では、税理士として認めていく、認めている、無試験で資格付与をしているということであります。

先ほどの金融庁の事務方のお話とあわせましたら、プロフェッショナルで2つのプロ、フルスペックとフルスペックでない会計人というふうな考え方とあわせれば、我々はどっちかといったらフルスペックでない方だろうなとは思っておりますが、フルスペックでないとはいえ、税務の専門家としてはフルスペックであります。その辺のところは議論されるときにやはり後へ引いていくと思いますんで、お考えを明確にお教え頂ければありがたいというふうに思います。

以上です。

○宮口委員 ありがとうございます。何遍もすみません。

確かに、省庁の問題で言えば、金融庁と財務省ということですので、それはそうかもわかりませんが、それであれば、例えば提案としては、先ほどのお話のありましたフルスペックでない会計士というところは、当然それは税理士も含まれていると解釈していいんでしょうか。フルスペックの方が監査をして公認会計士だというところは十分今までの議論を聞いておりまして理解をしているつもりであります。今回出てきましたフルスペックでないところ、多分座長が申された言葉だったというふうに思いますが、フルスペックでないというのは、何か欠けているということでありまして、何か欠けている会計人ということであれば、税理士が当然含まれているということのご提案だと解釈してよろしいでしょうか。確認いたします。

第8回

○高田代理委員(日本税理士会連合会専務理事) 代理で来たのに大変申しわけありませんが、士業の一人として、公認会計士という試験そのものが国家が与えた資格でございますので、若い人があこがれる、そして対外的にも分かりやすい制度を作って頂くのがいいんじゃないかと思いますので、それは既に検討されていることと思いますけれども、なるべく年齢制限とか何かしない方法にして頂ければなと。すなわち、本当に国が何か監査ができるのと、できないのに両方とも国が免許を与えるみたいなそういうことが果たしていいのかどうか、ちょっと分かりませんが。

もう一つ、非常にこの会計のプロフェッショナルというその会計の分野に関しては、今現在自由競争になっております。したがいまして、いろんなところに影響が出てくると思いますので、ぜひこの会議が終わった後、パブコメか何か、国民に意見を求めて頂ければというふうに思います。ちょっと論点が違ったかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

第9回

○宮口委員 ありがとうございます。宮口でございます。

以前、業際問題になったらということで発言を控えていたのですが、この財務会計士について、事務局はよくおまとめになったと敬意を表したいと思います。我々、税理士会にとりまして、新たな業際問題が生じるのかなと、それさえ感じるものでございます。従来は公認会計士、税理士というのは、それぞれ違うジャンルでやっているというお話がありましたが、その真ん中に出てくるような位置づけであれば、業際は明確にならないというおそれもございますので、ぜひそうなるところ、区分も最後でおっしゃっておられますような、他の国家試験とも関連づけて今後の議論をしていただくように切にお願いいたします。ありがとうございました。

(Source:公認会計士制度に関する懇談会 各回議事録)

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