公認会計士試験合格者数:金融庁の考え

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過去十年間の公認会計士試験の合格者は、下記のように推移している。大量合格世代といわれる2007年、2008年の合格率の高さが突出しているのがわかる。

2001年  961人(8.0%)  2006年 1,372人( 8.4%)(士補込み3,108人)
2002年 1,148人(8.6%)  2007年 2,695人(14.8%)(士補込み4,041人)
2003年 1,262人(8.4%)  2008年 3,024人(15.3%)(士補込み3,625人)
2004年 1,378人(8.4%)  2009年 1,916人( 9.4%)(士補込み2,229人)
2005年 1,308人(8.5%)  2010年 1,923人( 7.6%)(士補込み2,041人)

 このような中、試験合格者が実務経験を得る場がない状況が発生し、金融庁においては、公認会計士制度に関する懇談会を設置し、制度問題について検討を開始し、中間資格として「財務会計士」なる新しい位置づけを設けようとしている。

そのなかで、平成22年以降の合格者数のあり方について、金融庁は以下のような考えを表明している。

公認会計士試験については、公認会計士・監査審査会において運用されているところであるが、平成22年以降、当面の合格者数については、金融庁としては、合格者等の活動領域の拡大が進んでいない状況に鑑み、懇談会のとりまとめを踏まえた所要の対応策が実施されるまでの間、2千人程度を目安として運用されることが望ましいものと考える。

当該見解は、平成21年12月に公表されたものではあるが、合格者の趨勢を見る限り、平成21年の合格者数の決定にも影響を与えているようである。

この人数につ いて、当時、公認会計士協会会長であった増田氏は、「私見として、現状の監査業界と産業界の受け入れ態勢を考慮すると、1,500人から1,800人ぐらいの間だろう」と述べている(公認会計士制度に関する懇談会 第1回議事録)。

また、松井証券代表取締役社長の松井氏は、「セイの法則というのを前提にして制度改正してしまった」のが失敗だったのではないかと、問題提起している。セイの法則とは、簡単に言うと、供給がそれ自身の需要を生むという法則である。しかし、これは前提があって、代替財がないときに初めて成り立つと。(公認会計士制度に関する懇談会 第1回議事録)。

この点、独占業務たる監査以外は代替財があるということ。これが間違いの始まりだったのだろう。

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